太宰府と文芸

和歌・俳句・詩・小説・紀行文など、太宰府を題材として取り扱った作品は数多く存在しています。それらの作品は、古い時代の太宰府の姿を教えてくれる手がかりともなり、作者の描写からは「太宰府」がどのようにイメージされているかを、知ることもできます。ここでは、太宰府ゆかりの文学作品について広く捉え、ご紹介します。(今後情報を追加する予定です)

『万葉集(まんようしゅう)』

『万葉集』
『万葉集』

  『万葉集』は全20巻からなる、日本最古の歌集です。約4500首の和歌が収められており、筑紫(つくし)を思い描いた和歌や、筑紫で詠まれた和歌も数多く収録されています。なかでも巻5は、筑紫における大宰帥(だざいのそち)・大伴旅人(おおとものたびと)と筑前守(ちくぜんのかみ)・山上憶良(やまのうえのおくら)を中心とした、知識人たちの歌で占められており、後世にはこの歌人の集まりを指して「万葉筑紫歌壇(まんようつくしかだん)」と呼び表しています。
太宰府で詠まれた和歌として最も有名なのは、旅人の邸宅で催された歌会「梅花の宴(ばいかのえん)」において詠まれた32首の作品群です。この歌会には、筑前国および周辺諸国の官人らが招待されており、出席者は主人である旅人が指定した「庭の梅を題材とした和歌」を思い思いに披露しています。
   古くから、文化的に豊かな営みがあった太宰府の姿を、万葉集は教えてくれます。


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