今日の情報化社会の発展と交通の発達は、私たちの目をより広く外へと導きました。一方で、身近な人々やものに対して向けられる眼差しは、次第に遠退き失われつつあります。
私たちはいつも路傍の石碑や石塔に気づきながら、なにげなく通り過ぎています。ふと足を止めてそれらと向き合い、そこに込められた人々の「願い」や「祈り」に思いをめぐらせるとき、今まで見過ごしてきた身近な世界やそこに生きる人々の顔が見えてくるように思います。
太宰府の街角には、今も約30体の恵比寿さまがまつられ、そこに暮らす人々によって大切に守り伝えられています。12月になると、太宰府の町々で恵比寿まつりが行なわれ、地域の人々の心と心を結ぶ年中行事として伝承されています。
今回の展覧会では、当館拓本講座の卒業生が3年間かけて採った太宰府市内の恵比寿石神の拓本を一堂に展示するとともに、恵比寿さまを取り巻く地域の人々の全面的な取材協力によって浮き彫りにされた恵比寿信仰の軌跡をご紹介いたします。
展示構成
恵比寿さまについて
鯛と釣竿をもっていつも笑顔の恵比寿さま。昔から福運をもたらす神様として信仰を
集めてきました。太宰府の街角にも約30体のえびす様がまつられています。
地域ごとの恵比寿さま
恵比寿さまは、そこに暮らす人々の願いと祈りによって守られてきました。その
お祭りは今も地域の人々の心を結ぶ年中行事として伝承されています。
恵比寿さまの拓本
拓本講座卒業生が、3年間かけて太宰府市内のえびす石神を採拓しました。拓本を通して
文化財を残していこうという取り組みとその成果を一堂に展示します。
展覧会 | ||||||
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