太宰府の民俗

25土製恵比寿像


所在 馬場区・奥園 太宰府市宰府二丁目
造立 年代不詳
寸法 高さ:10.0cm

  もとは大町の泉屋(いずみや)旅館の前に置かれ、旧大町上組で祀っていたえびすさまです。旅館を営む個人宅の移転
に伴い、石の祠と共に昭和50年代後半に移されました。
  移転前は、旅館街の戸主が中心となり、回り当番で12月3日のお祭りを行っていました。移転後、町からえびすさまが
なくなっても、祭日近くの日程で組の男性だけが集まる「えびす講」を行い、その席には萱島秀渓が描いた掛軸が掛けら
れました。その後旅行へ出かけることもあったようですが、現在は行われていません。また女性は別に「観音講」で親睦
を深めたそうです。
  かつてえびすさまが納められていた祠には、現在「大地主神(おおとこぬしのかみ)」が安置されています。長らく実物
が確認できなかったえびすさまですが、今回の調査で個人宅から木彫のえびす像が見つかり、こちらと推測されます。