学芸だより

学習支援ボランティア研修

 開館以来、学校教育支援事業として開催している「くらしのうつりかわり展」では、市内外の小学校から団体見学の受け入れを行っています。期間中は、学習支援ボランティア(通称・おたすけまん)が、昔の生活の様子や自分の経験を伝え、子どもたちの学習活動を支援しています。
 この展覧会では、五右衛門風呂・井戸・いろりなどを体験学習のかたちで子どもたちに紹介しています。しかし、ボランティアの中には使ってみたことがない世代の方々もおり、子どもたちによりよい説明ができるよう、実物に触れることを目的に研修を行いました。
 熊本県和水町の肥後民家村では、かまど・五右衛門風呂の使い方を経験者から学び、ボランティア同士で協力しながら羽釜でご飯を炊いたり、風呂を沸かしたりしました。見事に炊きあがったご飯は、羽釜ならではの味わいがあり、美味しいと評判でした。五右衛門風呂も、バランスをとりながら底板を踏み沈める難しさを実感し、「次回のくらしのうつりかわり展では、体験をもとに子どもたちに話ができる」と活動への意欲を高めたボランティアの姿が多く見られました。
 続けて、大牟田市立三池カルタ・歴史資料館で開催中の「平和展2011 写真でみる大牟田の空襲」を見学しました。現代の子どもたちに、「戦争」について伝えることは難しく、他館がどのように工夫をしながら伝えているのかを知る機会となりました。また、珍しいカルタの展示を通じて、大牟田の歴史を知ることもでき、一同の刺激となりました。
 当館の学習支援ボランティアの活動は、「くらしのうつりかわり展」開催期間中のみですが、その他の期間で今回のような研修や勉強会を行っています。熱心なボランティアに支えられ、職員とボランティアとで互いに高めあい、文化ふれあい館がよりよい学びの場となれるよう努めています。


▲「くらしのうつりかわり展」団体見学受け入れの様子――五右衛門風呂


▲研修の様子――かまどでご飯を炊く