学芸だより

展覧会ができるまで

 9月10日から開催する、第9回「歴史の散歩道」パネル展。現在、展覧会開催に向けて準備をしています。
「歴史の散歩道」とは、水城跡から太宰府天満宮までに点在する主な史跡を結んだ、7.2kmの散策路のことです。散歩道沿いには、大宰府政庁跡・観世音寺・戒壇院をはじめ、見逃せない数々の史跡があります。緑豊かな散歩道を、ほどよく汗をかきながら楽しむ方も多いようです。
当館は「歴史の散歩道」のガイダンス施設の役割を担っており、開館当初より、史跡に関連する問い合わせが多数寄せられています。先日も来館者より、四王寺山の中腹に位置する岩屋城の城督・高橋紹運についてのお尋ねがあり、紹運を偲んで本丸跡に建てられた石碑「嗚呼壮烈岩屋城址」をご紹介しました。
平成15年から毎年開催している「歴史の散歩道」展は、こうした史跡に関連するものごとを広く取り上げて紹介しています。第9回目となる今年は、歴史的事象や史跡にまつわる伝説・エピソードに注目するだけでなく、近年の行事調査で撮影した写真なども展示し、史跡周辺の「今の姿」を伝えるとともに、散策途中にみなさんが疑問に感じたことを解決する一助となるような展示構成を検討しています。
展覧会を行うまでには様々な下準備が必要ですが、その内容は、テーマ設定、資料選定、展示構成、資料借用、パネル制作、展示作業など多岐にわたります。また、展覧会準備期間以外でも、どうアプローチをすれば来館者の目を楽しませることができるのか、分かりやすく伝えることができるのかを日々考えながら、史跡や関連する場所の現地調査などを行っています。 


▲四王寺山踏査での写真