学芸だより

丹前?半纏?ちゃんちゃんこ?

 タイトルにあるこの3つ。違いがはっきりしているのをご存じですか?
  
 まずは丹前についてですが、これは普通の着物より少し大きめで、綿を入れた広袖の衣服のことで、湯上がりや防寒用として着ます。「丹前」というのはそもそも関西地方での呼び名で、関東では「褞袍(どてら)」と呼ばれていました。つまり、丹前と褞袍は同じものなのです。
  
 次はちゃんちゃんこについてです。ちゃんちゃんこは袖のない綿入れの短衣のことです。ですから、袖があるものはちゃんちゃんことは呼ばないのだそうです。
  
 最後に半纏(はんてん)についてですが、本来の半纏とは、江戸時代に羽織(はおり)の代用として庶民が愛用したものでした。ですから羽織の変化形であると考えられ、防寒用の綿入れのもの、革製、職人が着用した屋号・家紋などが染め抜かれたものもあります。身丈は腰丈が普通で、このためコシキリバンテン(腰切り半纏)と呼ぶところもあります。これに対して長着の半纏をナガテンと呼ぶのだそうです。

 今回「くらしのうつりかわり展」で体験用として使っているものも半纏の一種で、ねんねこ半纏と言います。子どもを背負うときに着る半纏ですが、江戸時代、小児を「ねんねこ」と呼んだことから、子どもを背負うための半纏という意味でねんねこ半纏と呼ばれます。


ねんねこ半纏は、おんぶされる子どもも、おんぶする方も温かい。


学習支援ボランティア「おたすけまん」におんぶされる子どもたち。