学芸だより

古代の瓦づくりには布が必要だった!! partⅡ

 当館では10月13日(月祝)まで「歴史の散歩道展-温故知甄Ⅱ」を開催しています。「温故知甄(おんこちけん)」とは「温故知新」を基にしてつくった言葉で、「甄(けん)」という字に「瓦づくり」という意味を持たせ、古代の瓦をいろいろ観察し瓦づくりについて知ろう、という内容の展覧会です。

 太宰府市内の史跡から発掘された瓦をはじめ、17世紀の中国の技術書に描かれた瓦づくり・現在中国貴州省で行われている瓦づくり・江戸時代に描かれた瓦づくりの様子などをパネルで紹介しています。現在展示中の発掘された瓦には、形づくる過程で布の痕がついたものがあり、このような瓦は「布目瓦・ぬのめがわら」と呼ばれます。
  
 瓦づくりに使われた布はどんなものだったのか?どのようにして織られたのか?これらを推測して布の復元を試みる講座「布目瓦に残る古代の布を織る」を1年間実施したことを、以前このトピックに書きました(2008年1月)。今回の展覧会では、その成果品を紹介するとともに、会期中の第2土曜日には「道具は棒2本、装置は手づくり、自分の体を使って布を織る」という、講座で行った織りの方法を間近に見ていただこうと、講座の講師や受講生の方々が ‘織り’の実演を行っています。この機会に実演を見て、織りに挑戦してみませんか! 次回が最後のチャンス!!お待ちしています。

●織り実演・体験 10月11日(土) 11:00~16:00 ※申込不要・参加自由



9月の実演の様子。皆さん興味津々。


糸の材料:からむし(ぽんぽん草とも呼ばれます。)


からむしの葉で“ポンッ”だから、ぽんぽん草。