学芸だより

衣掛天満宮と古都の光

 毎年9月に太宰府で行われる「古都の光」は、市民参加型のお祭りで、太宰府天満宮から水城跡までを行灯の光で彩り、参加者は提灯を片手に、各所で行われるイベントを見物するものです。7年目を迎えた今年は2日間に分けて行われ、9月23日は水城跡から観世音寺までを繋ぎ、25日は太宰府天満宮周辺が光の道で結ばれました。
水城跡近くに祀られる衣掛天満宮では毎年古都の光に協力しています。9月23日、氏子たちはアイディアを出し合って色とりどりの行灯や竹灯籠を作り、お宮の入口をはじめ境内の各所に配置しました。今年は、お宮のほど近くにある鏡池跡にも飾り付けを行いました。
この日は夕方から強風が吹き、氏子たちは何度も根気よく蝋燭に火を付ける作業を続けていました。薄闇に、だんだんと広がっていく色とりどりの行灯の明かりは幻想的で、蝋燭の柔らかな光が道行く人を出迎えていました。氏子らは訪れた人にお宮の由来を説明する他、普段は氏子だけしか出入りを許されない拝殿の中も、この日は特別に公開していました。訪れた人々は、かつて衣掛天満宮の神木だった松の木を用いた絵馬を間近で見るなど、思い思いに楽しんでいました。
この日、氏子たちは来年も多くの人が訪れてくれるようアイディアを出し合っていました。来年の「古都の光」に、みなさまも是非一度訪れてみては如何でしょうか。



準備の様子


お宮の入口


姿見の池