学芸だより

坂本八幡神社の春籠り

 4月8日、坂本区にある坂本八幡神社で春籠りが行われました。春籠りは、農耕が始まる前に豊作祈願のためお宮へ参り、神職によるお祓いを受け、その後一同で飲食をする行事です。名称に違いはあるものの、全国的にもこの季節に同様の豊作祈願の行事が行われています。太宰府市域で行われる春籠りは豊作祈願のほか、厄除けの要素が加わっているところに特色を持ちます。
 当日は、朝8時半より境内の清掃、9時から幟立て(のぼりたて)など、祭りの準備が行われました。幟を取りつける竹は近くの山から切り出したもので、笹を落とし使用します。大きな幟を相手に、氏子だけでなく消防団員も協力し作業にかかりました。この日は風が強く、一度立てたものの調整をして立て直したりと、竹に幟を取りつけてから4本の幟が立ち揃うまでに30分以上かかる大変な作業となりました。(坂本八幡神社の幟についてはトピックNo.20でもご紹介しています)
 午後からは春籠りの神事が執り行われました。氏子一同、そして行事に集まった地域の人々全員でお祓いを受けました。坂本八幡神社では行事への参加を地域住民へ呼びかけており、境内には多くの人が訪れていました。神事が終わると餅まきが行われました。これには、厄年の人が餅をまくことで、厄を皆にも担ってもらい、軽くするという意味合いがあります。青空を背景に舞う紅白餅へ、一同歓声をあげながら目いっぱいに腕を伸ばし受け取っていました。
 その後、盛りの桜に囲まれながら氏子が拝殿や境内で飲食をし、春籠りの一日が穏やかに過ぎていきました。



▲幟立て作業


▲餅まき