学芸だより

継続調査中!太宰府の恵比寿まつり


   太宰府市内各地には、生業を守り財福をもたらす神様として恵比寿さまがまつられ、地域の人々によって大切に守り伝えられています。太宰府天満宮周辺では毎年12月3日に恵比寿まつりが行われており、地域に根ざした行事であることから、ふれあい館では開館初期から継続して調査を行っています。
   現地ではお飾りや供物、またまつりの様子を記録します。個人で行われるものや、持ち回りの当番で行われるものなどがあり、注連縄の形や供物の種類も場所によって様々で、年々変化していく部分も見られます。地域の人々からも聞き取りを行い、これも資料の一つとして記録に残します。
   平成16年には14カ所で行われていたまつりも、平成23年には10カ所、昨年は9カ所にまで減っています。さまざまな問題や課題を抱えながらも、現代まで続いてきた歴史あるまつりを伝えるために尽力されています。
   このように地域とともにある恵比寿さまですが、太宰府のどこにあるか知らないという人も少なくありません。より多くの人々に太宰府の恵比寿さまを知っていただこうと、当館では「太宰府の恵比寿さまマップ」を作成しています。普段皆さんがよく通る道にももしかすると恵比寿さまがいて、皆さんを見守っているかもしれません。このマップは館内で配布をしていますので、ぜひご覧ください。

学芸員 後藤夏実
2017年11月