学芸だより
文化ふれあい館の屋根に注目
当館の外観は、古都大宰府を感じることのできるよう、古代の寺院や宮殿をイメージして造られています。その中でも特に注目していただきたいのが、重厚感ある屋根です。
屋根は、隣接している筑前国分寺跡から出土した瓦を基調に、平瓦と丸瓦を交互に用いた本瓦葺(ほんがわらぶ)きと呼ばれる方法で仕上げられています。玄関にあたる部分は切妻(きりづま)造り、収蔵庫部分については寄棟(よせむね)造りという構造です。それぞれの隅棟(すみむね)の先端には大宰府跡出土のものを参考にした鬼瓦が、また収蔵庫部分の大棟(おおむね)の両端には奈良県唐招提寺(とうしょうだいじ)金堂のものを参考にした鴟尾(しび)が配置されています。
このように、当館の建物は外観や内装に歴史の要素がちりばめられています。詳しくは、館内で配布している解説シート「逢知(あふち)の栞」で紹介していますので、ぜひご覧ください。
学芸員 後藤夏実
鬼瓦
鴟尾