学芸だより

収蔵品紹介―安全ごたつ―


    冬に暖房具として使われている「こたつ」は、室町時代にはすでに存在していたと考えられており、江戸時代以降、急速に普及しました。もとは囲炉裏(いろり)の上に櫓(やぐら)を置き、布団をかけて使っていましたが、その後自由に場所を選んで使える置ごたつや、床を深く掘り下げて腰掛け式にした腰掛ごたつなど、様々な種類が生まれています。
    文化ふれあい館の収蔵品にも「安全ごたつ」という資料があります。これは木枠の中の器に炭火を入れ布団をかけて暖まるもので、足で蹴飛ばしてしまっても器が水平を保ちながら回転する仕組みになっており、中の火種がこぼれない工夫がされています。炭火を使ったこたつは長い間使われていましたが、大正時代の後期になると電気を熱源としたものが登場し、昭和30年代以降は電気ごたつが主流となりました。
    古い道具からは、昔の人の知恵や工夫を垣間見ることができます。当館では、安全ごたつ以外にも多くの古い生活道具を収蔵しており、毎年1月から3月に開催している「くらしのうつりかわり展」で紹介しています。すでに一部が先行オープンしていますが、今年度も1月5日(火)から開催しますので、ぜひご覧ください。

学芸員 後藤夏実