太宰府と文芸

和歌・俳句・詩・小説・紀行文など、太宰府を題材として取り扱った作品は数多く存在しています。それらの作品は、古い時代の太宰府の姿を教えてくれる手がかりともなり、作者の描写からは「太宰府」がどのようにイメージされているかを、知ることもできます。ここでは、太宰府ゆかりの文学作品について広く捉え、ご紹介します。(今後情報を追加する予定です)

松本清張(まつもとせいちょう)『時間の習俗』

水城跡
水城跡

  水城跡を覆う雑木林。たけのこ掘りにやって来た主婦は、そこでベージュ色の手袋が片方だけ落ちているのを拾う。もう片方を探して辺りを鋤でかき分けてみると、土の中から人間の腕があらわれ――。
   小倉出身の小説家・松本清張の推理小説『時間の習俗』では、水城跡が事件の重要な舞台となっています。清張は作中で『日本書紀(にほんしょき)』の「筑紫ニ大堤ヲ築キテ水ヲ貯ヘシム。名ヅケテ水城トイフ」という一節を引き、古代において水城が大陸の侵攻から日本を防衛する目的でつくられたことを説明しています。
   作中で費やされたページ数こそ多くないものの、水城のほか大宰府政庁跡や観世音寺について繊細な描写が見られます。


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